ヨーロッパの指輪文化

日本では婚約指輪といえば、ダイヤモンドかルビーなどの宝石つきのものや、金、銀製のシンプルな円形の結婚指輪や婚約指輪を思い浮かべる人が一般的であろう。しかしヨーロッパでは、長い伝統をもっ指輪にはこれらの装身具以外に、おどろくほど多くの種類がある。それは指輪が王権や宗教的権威の象徴を示し、さらに魔よけ、実用的用途、記念品、武器および護身具などにも用いられたためであろうが、ここからもヨーロッパにおける指輪文化の奥の深さと広がりを感じさせる。その他の日本ではあまりなじみのない、一連のめずらしい指輪を採りあげてみよう。

まず印章と指輪を合体させたものに印章指輪があるが、このルーツは指輪より歴史の古い印章に求められる。印章を大別すると、円筒印章とスタンプ式印章があって、後者は説明することもなかろうが、前者は粘土板の上へ円筒の表面に彫られた印章を転がしていく方式である。印章は封印や契約の際に用いられ、また統治者の権威のシンボルともされていた。貴重品であった印章は、保管に神経を使い、盗難や紛失をさける目的で、紐を通して首に吊るしたり、プレスレツトにつけたりもしている。この印章はおよそ紀元前回1000年以上前から、もともと小アジアのシユメールで使用され、やがて紀元前3000年ごろエジプトへ導入されている。その後スタンプ式印章と指輪を合体させ、便利な印章指輪が考案されるという歴史的経緯をたどった。

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